「ブーメラン投資戦法」で、究極のペアトレード

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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語(最終回/全20回) ~シグマベイスキャピタル清水正俊~

  エベレスト登頂仲間からも、その強靭な体力故に超人と呼ばれた中島にとり、この物語のエンディングにふさわしい舞台は香港であろう。香港は、中島が銀行員としての最後の3年間を、香港支店長として「エベレストに賭け、相場に生きた男」の舞台となった。

 中島の香港支店長時代、私は本店から仕事で香港に8回ほど出張したが、中島を訪ねて来る旧知と思われる様々な国籍のアルピニストたちを、その都度見かけた。中島の博識と温厚な人柄を慕って、世界中の山男たちが集って来た感がある。仲間同士でのヒマラヤ登山やトレッキングの報告会、それに次の登山計画の打ち合わせが話の中心であったそうだ。以前紹介した宮原巍(日本大学山岳部OB、現ヒマラヤ観光開発社長)とのアンナプルナトレッキングで有名なトロンパス(5416m)越えも、定かではないが、ここ香港で合流して一緒に楽しんだのかもしれない。香港からネパールのカトマンズへは直行便が毎日あり、5時間ほどのフライトなので、香港はヒマラヤを目指す彼らにとり絶好の拠点となっているとのことであった。

 一方、香港支店長就任直後から、支店業務としてワラント投資も大々的に開始していた。香港金融市場の特徴として、特にワラントの豊富さが挙げられる。上場企業数が約1500社なのに対し、デリバティブ・ワラント(様々な上場株式を、将来いくらで買う権利の売買)は約5000本が上場されていた。ワラントは、株とは異なる値動きをするため、特別な知識、経験やリスク管理システムが必要となる。中島は、ワラント投資の収益性を見抜き、それなりのプロチームを構築した。地元香港市場で経験を積んだ香港ワラントのプロたちを採用し、かなりの好成績を上げることにも成功した。

 こうして中島には、最後に、「ヒマラヤ」と「香港金融市場」という2つの大舞台が用意され、彼はそこをハイスピードで、思い切り駆け抜けたのだった。エベレスト直下、標高3880mに宮原が建てた「ホテル・エベレスト・ビュー」がある。

ホテル・エベレスト・ビュー - ヒマラヤ観光開発株式会社

 墓は、このホテルに見守られるかのように、その上方、ネパールの国花である石楠花の群生斜面を抜けた雲上に作られた。今はネパール国籍を取得し、同国経済界・政界の重鎮として活躍中と聞く宮原に見守られながら、一人眠っているに違いない。

 

清水 正俊

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