FX投資講座（第2回/全20回） ～シグマ個人投資家スクール（SIIS）～
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FX市場の仕組みと参加者の図中に外国為替ブローカーがいる。インターバンク市場における外貨売買注文を受け、金融機関同士の取引を仲介する会社である。上場株の場合は取引所に注文が集まるが、FXの場合はこのような会社が取引所の代わりを果たしている。ブローカーの収入は、売買が成立した場合、双方の金融機関から支払われるブローカレッジと呼ばれる仲介手数料である。但し、手数料節約のため、ブローカーを使わない直接取引（ダイレクト・ディール：DD）も増えている。
FX相場を読む上で不可欠な知識が外貨需給と市場に及ぼすインパクトについてである。トヨタ自動車のような輸出企業と、出光のような輸入企業のFX取引の基本キャッシュフローが次の図に示されている。両社ともドル建ての取引であるとしよう。トヨタ自動車は、売上金のドルを取引銀行に売り、代わりに円を受け取る。ドルのまま保有していても構わないが、為替変動リスクが伴うので、このようにFXを通じて円転するのが財務の基本とされている。出光の場合は、輸入代金をドルで支払うため、まず取引銀行から円でドルを買う必要があり、トヨタ自動車の場合とはFXの方向が逆になる。以上のことから、輸出が増えるとドル売り・円買いのインパクトが、反対に輸入が増えるとドル買い・円売りのインパクトがFX市場に及ぼされることになる。前者はドル安・円高要因、後者はドル高・円安要因である。
今度は、両社とも円建ての取引としよう。この場合は海外でFX取引が発生するが、FX市場に及ぼすインパクトは同様であることが下図から確認できる。
輸出入ばかりではなく、例えばオリエンタルランドはディズニーランドやディズニーシーのライセンス・運営等に関し、米国ディズニー社に毎年ドルでロイヤリティーを支払っている。この場合のFXのキャッシュフローは次の図の通りで、上記出光の場合と同様である。
つづく
＜シグマからのおしらせ＞
本ブログでは以下の連載が順次、交互並行でスタートしています。今後ともご期待ください。
（1）エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語（全20回）
（2）金融マーケット今昔物語（全20回）
（3）ディーラーたちの栄光と挫折（全20回）
（4）年金引き潮時代の資金運用初級講座（全20回）
（5）数字に強い投資家を目指す初級講座（全20回）
（6）ブーメラン投資初級講座（全20回）
（7）ブーメラン投資中・上級講座（全20回）
（8）イベントドリブン投資初級講座：いまでしょ、この銘柄！（全20回）
（9）IPO・新興市場銘柄投資初級講座（全20回）
（10）FX投資初級講座（全20回）
（11）数式を使わない！ オプション投資初級講座（全20回）
（12）シグマ個人投資家スクール分校開業・経営講座（全20回）
＜執筆者紹介＞
清水 正俊 http://www.sigmabase.co.jp/index/lecturer.html
シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長
シグマインベストメントスクール(SIS)学長兼シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長
金融理論専門の教育研修・コンサルティング・出版のシグマベイスキャピタル株式会社
日本の金融理論教育をリードする シグマインベストメントスクール
