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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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市場のミスプライスを突く ~田渕直也のトレーディング・テキストブック~

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第40回 市場のミスプライスを突く

前回まで、リスクプレミアムについて見てきました。これで、単なる運ではない投資収益の源泉として、(ランダムではない)トレンドと、リスクプレミアムが浮かび上がってきました。

次は、市場のミスプライスです。市場のミスプライスとは、市場が間違った価格を付けることを意味します。そこを突けば、市場価格が正しい水準に是正されるときに、偶然ではない投資収益を得ることができます。市場が完全に効率的であれば、市場価格は常に正しく、ミスプライスは起きませんが、実際には、ごく瞬間的にこうしたミスプライスが発生することがあります。逆に言えば、ミスプライスを突く投資家がいるからこそ、市場価格はすぐに修正され、市場は効率的になっていくわけです。また、何らかの理由で市場の効率性が阻害される場合、そうしたミスプライスが是正されずに、そのまま放置されることもあります。


ミスプライスを突く、と一口に言っても、これは簡単なことではありません。そもそも市場の価格のどこが間違っていて、どうすればそれを収益化できるかは必ずしも明確ではないのです。
そこで、どうするかというと、相対的な価格差を利用するのです。この手法はアービトラージと呼ばれています。日本語では、裁定取引と訳されています。


純粋な、狭義のアービトラージは、同じ経済効果を持つ証券が異なった価格で取引されているとき、価格の高い方を売り、価格の安い方を買えば、その価格差を確実に手にできるというものです。たとえば、東証(東京証券取引所)と名証(名古屋証券取引所)の両方に重複上場されている株式が、別々の価格で取引されている場合などがこれに当たります。実際には、こうした純粋なアービトラージ機会は、ほぼ存在しません。そこで、少し定義を緩めて、類似の経済効果を持つ証券の相対価格差を利用するという手法がとられます。これが、一般的なアービトラージです。よく知られている取引としては、日経平均先物と、(日経平均に近い値動きをする)現物株バスケットの価格差を狙う取引があります。先物の値段が相対的に高くなっているときに、先物を売り、現物株バスケットを買うのです。


また、転換社債(転換社債型新株予約権付社債)というものがあります。これは、理論的に言うと、普通社債と株式オプションを組み合わせたもので、転換社債にCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という普通社債のリスクをヘッジするデリバティブを組み合わせると、株式オプションと同じ効果だけを取り出すことができます。このような組み合わせによって得られる株式オプションは、市場で直に株式オプションを購入するより安く入手できることが多く、そこで収益を得ることができます。


国債アービトラージというものもよく行われています。償還期限(満期)の近い国債は、利回りも近くなります。ただし、需給関係などでこの利回りの関係がゆがむことがあり、それを狙うのです。


普通株と優先株のように、ほんの少し経済効果が違う証券の間には一定の相対価格差があり、需給要因などでその価格差がゆがんだ時を狙うというやり方もあります。多くのヘッジファンドは、こうした手法を積み重ねて、安定的な収益を積み上げているのです。(次回に続く)

 

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田渕直也(シグマベイスキャピタル フェロー)

 

 

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