シグマベイスキャピタル(SBCC)清水正俊、ジュネーブPhillip Glanville Oxnam、そしてヘッジファンドの仲間達:シグマヘッジファンドの源流その3(第11回/全100回)
ヘッジファンドのトレーディングは、ヘッジをしながらが基本です。GCMのトレーダー達も賢くヘッジをしながら、いわゆるアービトラージ(裁定取引)を行っていましたが、ただ一人「ノーヘッジ」で大きく稼ぎ続けた人物がいました。ロンドン生まれのこの若者は、確かに天才的な相場観を持っていました。社内の誰もが認める才能でした。ある日、彼の自宅に呼ばれたことがあります。部屋中、インドの仏像だらけでした。あらかじめ聞いてはいましたが、想像以上の仏像の多さに驚きました。菜食主義者の彼は、毎日仏像の中で瞑想をしていたそうです。相場を当てるためか、ポジションの恐怖から逃れるためかよくわかりませんでした。数年後にヘッジファンダ―として独立しましたが、ある時、大相場を張って、それまで築いた全資産を亡くしたと風の便りに聞きました。
アイクというトレーダーは、スタンフォード大学でコンピューターとファイナンスの2つの博士号を取った秀才でした。1年間NYの金融機関でトレーダーの修業をした後、GCMに入ってきました。彼の一芸は、株のオプションでした。シカゴ市場やフィラデルフィア市場などで、独創的なトレーディングを行っていました。通常のオプショントレーダーは、よく知られているオプション価格決定理論(ブラック・ショールズモデル)を使ってトレーディングを行いますが、彼は市場を出し抜くための改良理論を構築し、これをIBC PCで操作しながら平均を大きく上回る利益を出し続けました。実は、この改良理論構築のため、彼はオプション理論の大家であったMIT(マサチューセッツ工科大学)のロバート・マートン教授(ショールズと二人で、1997年度ノーベル経済学賞受賞)に、彼の改良理論が正しいか、また現実的かを検証してもらうコンサルティングを依頼していたのでした。コンサルタント料は自己負担で、自分への投資だと言っていました。
ジョンというトレーダーは、コネティカット州の北方に位置するニューハンプシャー州の広大な牧場主でした。週に1~2日、セスナ機でGCMに出社し、トレーディングをしていました。主にシカゴの先物市場で、原油先物や農産物先物のトレーディングをしていました。カウボーイにしては、緻密な頭脳の持ち主で、当時最先端のIBM PCで原油先物と小麦先物との関係などを分析しながらの裁定取引で、堅実に利益を出し続ける才能がありました。どちらが本業なのかと聞くと、もちろん両方と答えました。ニューハンプシャー州は、自由の国アメリカを象徴するかのように、Free live or die(自由に生きるか、あるいは死ぬか)が州の気質だそうです。
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シグマヘッジファンド(ネイビス&ジュネーブ) 東京オフイス
Sigma Hedge Funds (Nevis & Geneva) Tokyo Office
清水 正俊
シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長
シグマインベストメントスクール(SIS)学長
シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長
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