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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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懐疑的態度の必要性  ~田渕直也のトレーディング・テキストブック(28)~

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第28回 懐疑的態度の必要性

今までの話をまとめると、トレンドで十分に利益を上げるためには、自分のストーリーにはこだわらずに柔軟に構えることが大切です。そして、ひとたびトレンドに乗ったなら、音楽が鳴りやむまで踊り続けるのです。しかし、踊りに夢中になってトレンドの反転を見逃してしまえば、大きな傷を負ってしまう危険があります。踊り続けるといっても、夢中になってはならず、常に懐疑的な姿勢を保つ必要があります。この「トレンドの反転」にいかに対応するかは、トレンドを捉えるトレーディング手法で最も難しいところだと思います。


「(懐疑的な姿勢を保ちつつ)踊りつづけよう」という考え方は、基本的には相場の反転を当てに行かないということを意味します。このような考え方を推奨するのは、相場の反転を当てるのはとても難しく、無理に当てに行こうとするとトレンドから取り残されてしまい、さらにもっと危険な罠に陥る危険性が高まるからです。


トレーディングで最も危険なのは焦りです。相場反転を当てに行こうとして流れに取り残されてしまうと焦りが生まれます。その焦りから、ついに思い余って今までの自分のストーリーを捨てて、すでに多くの人が受け入れているストーリーに宗旨替えをしたところでそのトレンドが終焉を迎えることが多々あるというのが前回の最後の話でしたが、これは単なるたとえ話ではなく、実際によく起きるパターンなのです。


そして、このパターンはさらに深い闇へと人を誘います。人間というのは自分の信念を捨てて宗旨替えをした後で、潮目が変わったからといってまたころっと自分の考えを修正するなどという器用なことができないものです。人間は常に自己正当化を図る生き物で、とくに宗旨替えに際しては様々な葛藤を抱えながら、何とかその宗旨替えを正当化する理屈を自分の中で見つけて初めて可能となります。それを、またすぐに修正するのは、苦労して見つけた自己正当化を否定することにしかなりません。こうして、なぜか自分が思うのとは逆へ逆へと相場が動いていくという最悪の事態が起きてしまうのです。


こうした泥沼にはまらないためには何が必要か。それが、トレンドに対する懐疑的態度に他なりません。どんなトレンドも幻想の上に成り立っていて、どんなに勢いがあるように見えてもいつかは儚く消え去っていくものなのだという感覚です。幻想の上に成り立っているものだから、そもそも当てに行く必要もありません。


ただし、人の感覚や頭での理解は、いざというときにはそれほど役には立ちません。焦りにとりつかれたり、認知的不協和(要するに心理的な自己矛盾)にとらわれると、人間はパターン化された思考に頼るようになって客観性・合理性を失い、それが悪循環を生み、傷口を広げる方向に作用します。だからこそ、相場や人間心理への理解に根差したトレード・ディシプリンが必要になるというわけです。

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