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真のトレンドにおける勝者と敗者  ~田渕直也のトレーディング・テキストブック(27)~

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第27回 真のトレンドにおける勝者と敗者


ランダムなトレンド(本当はトレンドではないので、トレンドに見えてしまうものという意味)では、勝者と敗者を分けるものは偶然です。しかし、真のトレンドでは、偶然以外の要素が働きますので、勝者と敗者には一定の傾向が表れます。
真のトレンドにおける勝者は一体どういう人たちでしょうか。言うまでもなく、真のトレンドを生み出すストーリーを最初に見つけた人が最大の勝者に思えますね。ただし、そのストーリーが人々に受け入れられるようになるかどうかは、なかなかその時点では見分けがつきません。いいストーリーでも、ちょっとしたタイミングで広まったり、広まらなかったりするのです。
このあたりは、ケインズがたとえた「美人投票」そのものです。その美人投票は、(自分が)美人だと思った人に投票するのではなく、より多くの票を集めそうな人に投票するというものです。人々の好みや心理的状況を鋭敏にキャッチし、「美人投票」の結果を的確に予測できる人も、もしかしたらいるかもしれませんが、とても難易度の高い予測です。とくに美人の基準が時々刻々と変わるようであればハードルはさらに上がります。
もっとも、相場という美人投票では、投票結果は一度だけ発表されるのではなく、絶え間なく最新の投票動向が発表され続けるという大きな特徴があります。
そこで、人々に受け入れられるストーリーを最初に作り出すのではなく、開票状況を見ながらどのストーリーが有望かを機敏に判断していくというやり方も考えられます。私は、こうした臨機応変型のスタイルの方がハードルが低く、リスクも小さくて、より安定した結果を残せるのではないかと考えています。「相場を当てに行く」のではなく、柔軟に流れに乗っていくという考え方です。
真のトレンドで敗者となるケースも見ておきましょう。
まず、真のトレンドを生み出すストーリーに乗り損ねるというケースが考えられます。これには、さらに二つの種類があって、一つ目は、特定の(自分の)ストーリーにこだわるあまり、市場で支持を集めつつある他のストーリーを受け入れられないというものです。「相場を当てに行く」傾向が強い人はとくにこうしたパターンに陥りやすいと言えます。二つ目は、「アベノミクスなんて単なる印象論で、実態は大して中身がない」などというような懐疑論です。これまでお話ししてきたように、トレンドを作るストーリーは思い込みや錯視から始まります。懐疑論は、そうした意味では最終的には正しいことが多いと思います。また、次回詳しく触れたいと思いますが、懐疑的な態度はトレーディングでとても重要です。しかし、思い込みだろうが幻想だろうが、そうしたものこそが真のトレンドを作っていくのだということは知っておく必要があります。いくら懐疑論が最終的に正しくても、相場に乗れなければ投資においては意味を成しません。
敗者となるもう一つのケースとして考えられるのは、トレンドの最後にあわてて乗り込むというものです。実際には、先ほどのケースと組み合わせになることが多く、たとえば市場で優勢なストーリーを拒絶していたり、懐疑的だったりした人たちが、次第に焦りと欲望に駆られるようになって、トレンドの最後に飛び乗ってしまうという例が挙げられます。あるストーリーに賛同する人が増えていく過程でトレンドが形成されるわけですから、そのストーリーを頑として受け入れてこなかった人たちが宗旨替えをするというのは、そのトレンドの最終局面となることが多いのです。そして、それはとても高くつく行為となります。次回はそのあたりを見ていくことにしましょう。

 

 

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