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神学論争と効率性論争 ◆株式市場と分析手法(3) ~図解!!投資研究~

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 半世紀も続いている「効率性市場」論争

 

市場の効率性について話をする時、決まって神学論争のことを思い出します。


中世スコラ哲学の創始者であり、当時の人たちから「われらがアリストテレス」と称されていたピエール・アベラール(1079-1142)は、「神の存在の存在論的証明」として有名な次の三段論法を展開したそうです。

 

大前提:神(God)は全能である。
小前提:神は全能であるが故に、「存在」という属性(attribute)も有する。
帰結: 故に、神は存在する。


アベラールの「神の存在証明」は、この論理学を論駁しきれずにいた反対派の人達を悩まし続けた三段論法であったそうです。現代人からすると、大前提である「神は全能である」との命題が「真」ではなく、「観念(考え方)」であり、その大前提に瑕疵があったのですが、当時の神学世界の渦中では、大前提の瑕疵に気づくこと自体が不可能だったのでしょう。


まさに上記と同質の論争が、「市場は効率的か」を巡り、マーコビッツやファーマの効率的市場仮説(1970)を経て延々と半世紀も続いているようです。投資の現場では今日も、投資顧問会社の担当者が、顧客である年金基金や企業の運用責任者に「市場は効率的だと思いますか?」と問いかけていることでしょう。「神(God)は存在する」を「効率的市場は存在する」に置き換えると、アベラール流の三段論法がいろいろ生まれてきそうです。


ついでながら、スコラ哲学の源流と考えられているアリストテレスは、次のような三段論法を展開したそうです。

 

大前提:全ての人間は死ぬ。
小前提:ソクラテスは人間である。
帰結: 故に、ソクラテスは死ぬ。

 

アリストテレスの三段論法は、現代人にも受け入れられそうです。大前提が「真」かどうかは別としても、少なくとも「経験的事実」だからです。

 

「市場の効率性」あるいは「市場の非効率性」は未だ「観念」の域を出ていません。観念から経験的事実に引き上げられる日は来るのでしょうか。

 

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