エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語 ブラックマンデーに遭遇(第10回/全20回)~シグマベイスキャピタル清水正俊~
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1985/9/22のプラザ合意をきっかけに、長期にわたる円高時代が始まったが、その後2~3年間は我が国景気に表立った影響は見られなかった。1987/10/19のNYで突然株の暴落が起こったが(ブラックマンデー)、これもなんとか乗り越え、日経平均が4万円に向かったのは次のチャートのとおりである。
余談であるが、マーケットで仕事をしていた私にも、1日で30%も下げたブラックマンデーの暴落は、想像を絶する出来事であった。当日は、NYのトレーダー達も、「今日は、下げ相場かな?」と思っているうちに、特に何の材料もないままズルズルと下げ、そのうちに底なしの下げになったと聞く。バブルの崩壊というものは、絶対に予見できない。ある日、ある瞬間に突然やってくるということを思い知らされた。これが相場の怖さである。
ブラックマンデー(1987/10/19):NY株価暴落
ブラックマンデーは、短期間ではあったが世界の金融界に激震をもたらした。株の暴落が引き金となり、恐怖感から世界中のお金の流れ(貸し借り)が止まってしまったのである。銀行のFXディーリング・ルームは外貨の売買だけではない。円/ドルの売買を例にとると、ドルを売るためには、その前に他行からのドル調達が必要であり、受け取る円は運用に回す必要がある。多種類にわたる通貨の「調達・運用」と「売買」を、車の前輪と後輪のように円滑に回す銀行内の工場なのである。この工場がストップし、それが連鎖的に世界中の銀行の工場に波及すると、世界金融恐慌となる。
文中敬称略
清水 正俊
シグマベイスキャピタル株式会社代表取締役社長
シグマインベストメントスクール学長兼シグマ個人投資家スクール学長
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