エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語(第3回/全20回) ~シグマベイスキャピタル清水正俊~
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一方、小西政継(山学同志会)をリーダーとする南西壁アタック隊は同じ頃、最難関として名高いこの大岩壁に挑んでいた。余談になるが、小西はこの年の末(1970年12月)植村直己らと共に、アルプス3大北壁の中で最も難しく最も美しいといわれるグランド・ジョラス北壁の冬季登攀に成功するが、凍傷で両足指全てと左手小指の11本を失った。風雪吹き荒れる岩壁に取り付く小西の執念が、次の言葉から伝わってくる。「手が欲しいなら、指を差し出そう。足が欲しいのなら、くれてやろう。しかし、呪わしいおまえを必ずたたきつぶしてやる!」(グランド・ジョラス北壁 小西政継著 中公文庫 1981年より引用)
加納巌(大阪府立大学OB)によると、この小西が「今年のエベレスト南西壁は雪が少なくて岩が露出し、非常に危険な状態だ」と珍しく弱気になっていたそうである。不安が的中し、第4キャンプ(7500m)で作業中の中島にこぶし大の落石が直撃し膝を骨折、更に一旦撤退途中、加納にも落石が直撃し腰を骨折した。結局、南西壁アタック隊は8050mを最高点として登頂を断念した。すべてをエベレストに賭けた中島31歳の春であった。
「エベレストの南と北 宮下秀樹」(日本山岳会2005/10)より
http://www.jac.or.jp/info/news/200510.htm
「 '70エベレスト南西壁登攀の記録について 加納巌 」より
http://homepage3.nifty.com/opuac/Everest1970PDF.pdf
文中敬称略 つづく
<シグマからのおしらせ>
本ブログでは以下の連載が順次、交互並行でスタートしています。今後ともご期待ください。
(1)エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語(全20回)
(2)金融マーケット今昔物語(全20回)
(3)ディーラーたちの栄光と挫折(全20回)
(4)年金引き潮時代の資金運用初級講座(全20回)
(5)数字に強い投資家を目指す初級講座(全20回)
(6)ブーメラン投資初級講座(全20回)
(7)ブーメラン投資中・上級講座(全20回)
(8)イベントドリブン投資初級講座:いまでしょ、この銘柄!(全20回)
(9)IPO・新興市場銘柄投資初級講座(全20回)
(10)FX投資初級講座(全20回)
(11)数式を使わない! オプション投資初級講座(全20回)
(12)シグマ個人投資家スクール分校開業・経営講座(全20回)
<執筆者紹介>
清水 正俊 http://www.sigmabase.co.jp/index/lecturer.html
シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長
シグマインベストメントスクール(SIS)学長兼シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長
金融理論専門の教育研修・コンサルティング・出版のシグマベイスキャピタル株式会社
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