ブーメラン投資の基本は「順張り」（１） ～シグマ個人投資家スクール～
ブーメラン投資においては、ペアの新規設定時並びにペア保有中の評価損益チェック時に、短期トレンドを継続的に確認していくことが大変重要です。投資手法の分類の一つに、「順張り」と「逆張り」があります。ブーメラン投資戦法は、中期トレンドの転換点でペアの新規設定を行うことから、一見「逆張り」のように見えますが、基本は「順張り手法」に基づいています。
ブーメラン投資戦法は、そろそろ転換点と思われる時点で短期トレンド分析を行い、中期トレンドが転換した（ブーメラン発生）ことを確認してからペアの新規設定を行うよう推奨しています。また、保有中のペアの評価損益の推移も短期トレンドの変化を反映しますので、この評価損益の変化に基づく利食い・損切り判断にも短期トレンド分析は重要です。
保有中のペアの評価損益の把握方法を考えてください。信用取引口座の評価損益で一目瞭然です。買い銘柄の評価損益と売り銘柄の評価損益の合計が、ペアとしての評価損益です。この場合、注目すべきなのは買い銘柄の評価損益と売り銘柄の評価損益の内訳です。ペアとしての評価損益がプラスでも、内訳には買い銘柄と売り銘柄にプラス、マイナス、幾通りかの組み合わせがあります。次の表は、この観点からすべての組み合わせを作り、その内訳による短期トレンド分析手法を示しています。以下、組み合わせとその意味する内容を示します。
灰色領域（×印）：買い銘柄と売り銘柄の評価損益がともにマイナスの組み合わせです。
ペアの両銘柄がマイナスですから、いわばダブルパンチを食っている状態です。
水色領域（▲印）：買い銘柄と売り銘柄の評価損益の組み合わせがプラスとマイナスです。ペアとしての評価損益はマイナスです。プラスとマイナスの組み合わせは、ペアトレードでは普通ですが、合計でマイナスとなっている点が心配です。
白色領域（？印）：買い銘柄と売り銘柄の評価損益の組み合わせがプラスとマイナスです。ペアとしての評価損益はゼロです。
桃色領域（△印）：買い銘柄と売り銘柄の評価損益の組み合わせがプラスとマイナスです。ペアとしての評価損益はプラスです。プラスとマイナスの組み合わせは、ペアトレードでは普通ですが、合計でプラスとなっている点で期待が持てます。
黄色領域（○印）：買い銘柄と売り銘柄の評価損益がともにプラスの組み合わせです。ダブルで利益が出ている状態で大変幸運です。
次の表は、上記色分け領域を○印とか×印で示すこととし、それらの印がついた場合の、トレード上の対応原則を示しました。
（つづく）
では、またお会いしましょう。
清水 正俊（シグマインベストメントスクール学長兼シグマ個人投資家スクール学長）
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「ブーメラン速度・加速度分析ソフト」完成！
アクセルを一定の強さで踏み続けると、車は一定のスピード（たとえば時速30キロ）で進み続けます。これが「速度」です。アクセルを更に踏み込むと、スピードが時速３０キロから時速４０キロに、１０キロ加速します。加わった分（時速１０キロ）が「加速度」です。速度と加速度の両方を見ることにより、車がどのくらいのスピードで、またそのスピードが加速しているのか、反対に減速やバックを始めたのかがわかります。
この考え方を使って、ブーメランチャートで平均回帰が始まった場合、その回帰の「速度」と「加速度」をチャートで毎日確認できる分析が、「ブーメラン速度・加速度分析」です。以下に、No.699の「ブーメランチャート」とその「速度・加速度分析チャート」を示しておきます。
9日前に新規作成したペアのブーメランチャート（2014/10/24引け現在）
上記ブーメランチャートの速度・加速度分析チャート（保有期間9日間の推移）
平均回帰が始まり、Zスコアが日を追って、ゼロ方向に下がって来ているのがわかります。これに伴い、Ｘ銘柄とＹ銘柄の含み益の合計であるペアの含み益（棒グラフ）が上に伸びて来ています。同時に、ペアの含み益の速度・加速度が少しついてきていることがわかります。このまま順調に平均回帰するのを待つことにしましょう。なお、Zスコアがゼロになると平均回帰したことを意味します。
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