スマートスクリーニング投資戦法(Cコース:今日の買い銘柄)~銘柄選びの極意公開~ 自社株買い(第8回/全20回)
スクリーニング項目4.「即効性・話題性」の注目点の第2は、自社株買いの予想・発表です。日産自動車 は2016/2/26(金)に、取得株式総数3億株(発行済み株式総数の6.7%)、取得総額4,000億円を上限に自己株式取得を決議したと発表しました。
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2016/_STORY/160226-03-j.html
もし、これだけの株数を一度に実施すると仮定すれば、 2/26の終値が971.5円ですから、単純計算では6.7%、すなわち1,037円(=971.5×1.067)に上昇するはずです。果たして、翌月曜日の始値は1091.5円と、前日引け値比12.4%高で始まりました。高寄りし過ぎたため大陰線(長く黒いローソク足)が生じましたが、本日時点(2016/3/4)でも、株価は高寄り水準をキープしているのが次のチャートから確認できます。トヨタ自動車との差は、自社株買いの効果と判断可能でしょう。
問題は、この効果がどの程度継続するかですが、測定は大変難しいのが現実です。株価は、無数のインパクトで動くからで、自社株買い効果だけを抽出して分析が出来ないからです。私の経験と感覚も含めて結論を言えば、約1か月間と覚えておくと良いでしょう。それ以上経過すると、他の要因と混じり合って、見分けがつかなくなるという意味です。
なお、自社株買いには2種類あります。自社株を買うと同時に廃棄するものと(焼却)、自社が保有し続けるもの(金庫株)です。焼却を伴う自社株買いの方が、株価上昇効果は大きいと言えます。
清水 正俊
シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長
シグマインベストメントスクール(SIS)学長
シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長
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