FX投資初級講座（第1回/全20回） ～シグマ個人投資家スクール（SIIS）～
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FX（外国為替）投資でまず重要なことは、FX市場の全体像をしっかりと理解することである。市場の仕組みと参加者、市場特性と規模、市場の機能、価格決定メカニズム等が、株式市場とは一味異なる、あるいは異質と言っても良い市場だからである。FX相場は様々な通貨の需給関係で決まるが、お金は瞬時に世界中を巡る。いわゆる国際資金移動であり、このグローバルな流れを見極めることが、相場を読む上での最重要ポイントである。著名な投資家であるジョージ・ソロスが財を成したのは、この読みが冴えていたからである。
FX市場の仕組みと参加者は下図のとおりである。
FXは基本的に店頭取引であり、取引所のような売買が集中する場があるわけではない。テレフォン・マーケットと呼ばれる。FX市場の中心は金融機関同士が取引する「インターバンク市場」である。現在では、銀行等金融機関同士のインターバンク市場と、金融機関と一般企業、個人などとの間の（金融機関から見て）対顧客市場に分けることができる。個人が成田空港の銀行でドルを買って海外に飛び立つ場合のお金の流れは下図のとおりである。A銀行はＢ銀行から「売るドルを仕入れて来て」顧客に売るのが原則である。Ａ銀行が常時多額のドルを保有していると為替変動リスクがあるからである。もちろん個人が買うドルは少額であろうから、1件毎に対応するわけではない。インターバンク市場は外貨の卸売市場、対顧客市場は小売市場と言うことができる。ドルの小売価格は、卸売市場からの仕入れ価格にＡ銀行の利益分が上乗せされて決められるのは、一般の商売と同様である。
つづく
＜シグマからのおしらせ＞
本ブログでは以下の連載が順次、交互並行でスタートしています。今後ともご期待ください。
（1）エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語（全20回）
（2）金融マーケット今昔物語（全20回）
（3）ディーラーたちの栄光と挫折（全20回）
（4）年金引き潮時代の資金運用初級講座（全20回）
（5）数字に強い投資家を目指す初級講座（全20回）
（6）ブーメラン投資初級講座（全20回）
（7）ブーメラン投資中・上級講座（全20回）
（8）イベントドリブン投資初級講座：いまでしょ、この銘柄！（全20回）
（9）IPO・新興市場銘柄投資初級講座（全20回）
（10）FX投資初級講座（全20回）
（11）数式を使わない！ オプション投資初級講座（全20回）
（12）オフショア・ヘッジファンド講座：ブーメラン投資ファンド組成に向けて（全20回）
（13）シグマ個人投資家スクール分校開業・経営講座（全20回）
＜執筆者紹介＞
清水 正俊 http://www.sigmabase.co.jp/index/lecturer.html
シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長
シグマインベストメントスクール(SIS)学長兼シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長
1947年生まれ。日比谷高校、一橋大学卒。日本長期信用銀行入行。1982年外国為替カスタマーチーフディーラー、1984年ドル円スポットチーフディーラー。1988年デリバティブチーフディーラー。同行によるグリニッジキャピタルマーケッツ社（米国コネティカット州）買収・業務拡大に従事。1990年同行退職。シグマベイスキャピタル株式会社設立、シグマインベストメントスクールを開校し現在に至る。ブーメラン投資戦法考案者。
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