「ブーメラン投資戦法」で、究極のペアトレード

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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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イベントドリブン投資講座:いまでしょ、この銘柄! (第1回/全20回) ~シグマ個人投資家スクール (SIIS)~

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イベントドリブン投資とは、ヘッジファンドの投資手法のひとつである。企業の合併・買収、再編・提携、新財務戦略、新商品開発など企業価値を変えるイベントが発生することを予想し、成功が見込まれる場合は買い、失敗が見込まれる場合は空売りポジションを保有する戦法である。

まず今後の準備として、基本データ(図表)の見方を説明する。

1.左半分は長期分析、右半分は中短期分析である。

2.長期分析は、上の図表から順番に、

*直近3年間の決算主要データ

*長期の株価推移(月末株価)

*長期の出来高(月次)

3.中短期分析は、上の図表から順番に、

*中短期の株価推移(日足)

*中短期の株価推移(移動平均)

*出来高(日次)

*直近信用取引残高&貸借倍率

 (参考)貸借倍率=信用買残高 ÷ 信用売残高

 

タカタ(7312) 

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<経営&決算:論点と現時点結論>

1.2014/7初に問題が発覚してから、約5か月経過している。製品保証引当金は922億円となっている。会社発表の2015/3期決算見通しは純損失250億円、但し追加損失の有無・金額の合理的算定は困難としている。ちなみに、2013/3期決算は純損失211億円。

2.内容は全く異なるが、2011/7に発覚したオリンパス粉飾決算事件で、1000億円の巨額特損という点では金額的にも、対企業規模比較でもほぼ同じである。下記に、オリンパス粉飾決算発覚当時の基本データを参考掲載した。

3.2014/9/30中間決算(B/S)のポイントは次の通り。問題発覚後なので、製品保証引当金は2014/3/31本決算と比べ、459億円積み増した金額になっている。

*現預金:833億円

*売掛金:1149億円

*買掛金:565億円                                          *借入金(銀行、社債、CP):894億円

*製品保証引当金:922億円

*純資産額:1441億円

現預金保有額が減少しているが、月商の2ヶ月分弱あるので、当面キャッシュフロー上の問題は少ない。但し、追加損失発生の場合、社債償還(200億円)等のスケジュール次第で、苦しい局面が発生する可能性は否定できない。決算数字とキャッシュフローとは一致しないので注意が必要。

4.東証1部へのIPO後、わずか8年で現状までの急拡大は驚きである。一方、"拡大路線のツケが"という声も聞かれる。特に、海外工場の品質管理面で問題があれば、事は深刻。

5.米国をはじめ世界規模の問題になっている。直面している状況に対する経営者の感度と問題処理能力が問われる局面に来ている。未だに実質的トップの顔がよく見えないのは問題である。

<長期分析:論点と現時点結論>

1.長期株価は、①のラインを意識している。現在はレジスタンスラインからサポートラインとして機能している。

2.②のサポートラインを下に切っている。長期下降トレンドに入り始めた可能性が濃くなってきた。但し、当面は②ラインと③ラインの間で、フラッグを形成していく可能性が残されている。

3.下落トレンドは変わっていないので、中長期的には1000円を切ったところでイグゾースション・ギャップが出現する可能性がある。なお、イグゾースション・ギャップの典型例は下記掲載のオリンパスのチャート上に見られる。

4.出来高が急増し始めている。問題発覚から5か月が経過しているが、これからが相場本番のような展開である。早期に外科的手術を断行するべきだった。

<短期分析:論点と現時点結論>

1.日足で、逆ランナウエイ・ギャップが2回出現している。先週末反転し、「陽の丸坊主もどき」が2回出現した。急落の反動である。

2.移動平均ではデッドクロス完成で、下落トレンドを示している。

3.信用取引の貸借倍率は1.5。需給面からの影響は、認められない。

<現時点総合判断>

問題終息には程遠い状況である。しばらく波乱含みの展開が続くであろう。フラッグ形成の場合の上下動の波動と、中長期的な下値1000円を切った付近で投資チャンスありと見る。

(参考掲載:2011/7前後のオリンパス)

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日清紡(3105)

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<経営&決算:論点と現時点結論>

1.2014/11/6に、発行済み株数の11.45%(2000万株)に相当する自社株買いをするとの方針を発表。上限金額は200億円。この効果で、株価がジャンプしている。

2.M&A戦略も奏功し、業容拡大の中での本件方針は評価される。財務指標も総じて良好に推移。

3、但し、ROE4.0%は依然低く、積極的なお金の活用に工夫の余地が残されている。

<長期分析:論点と現時点結論>

 1.長期トレンドは、下降トレンドである①のラインから上昇トレンドである②のラインに移っている。現在はレジスタンスラインからサポートラインとして機能している。なお、現在のレジスタンスラインは③、サポートラインは④である。

 2.③ラインと④ラインの間で、トライアングル形成の可能性が高まっている。この場合、トライアングル完成時点で大きな長期トレンドの転換点を迎えるであろう。

3.上記トライアングル完成前に、レジスタンスライン③を突破すれば、より上位の②ラインが新たなレジスタンスラインとなる。

4.出来高が急増し始めている。これから本番を迎える若い相場と見る。

<短期分析:論点と現時点結論>

1.ランナウエイ・ギャップを形成後、レジスタンスラインを大きく突破したところである。①がサポートラインとなっている。

2.移動平均で、ゴールデンクロス完成であることとも整合的である。

3.信用取引の貸借倍率は1.6。需給面からの影響は、認められない。

<現時点総合判断>

当社の場合、ROE重視経営と大規模な自社株買いとの組み合わせバランスが良いので、イベント効果は比較的長く続くであろう。トライアングル完成後の上放れ・下放れ、あるいはより上位のレジスタンスライン②への挑戦に投資チャンスありと見る。

 

アマダ(6113)

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<経営&決算:論点と現時点結論>

1.2014/5/15に、当面2年間、利益全額を「配当+自社株買い」に充当するとの方針を発表。この評価が続いている。

2.その分、純資産増加や新規投資に制約が発生するので、企業価値減少要因となる。株主還元の増強は短期的には株価上昇要因であるが、その後は逆に株価上昇の制約要因となる。

<長期分析:論点と現時点結論>

 1.長期株価は、①のラインを意識している。現在はレジスタンスラインからサポートラインとして機能している。なお、現在のレジスタンスラインは③。

 2.②ラインと③ラインの間で、トライアングル形成の可能性が高まっている。この場合、トライアングル完成時点で大きな長期トレンドの転換点を迎えるであろう。

3.出来高が縮小している。相場としては、終局を迎えている可能性が高い。新方針発表から丁度半年が経過し、市場で消化完了の時期とも符合している。

<短期分析:論点と現時点結論>

1.短期のレジスタンスラインは①。ランナウエイ・ギャップを形成後、レジスタンスラインを突破したところである。①が新しいサポートラインとなるか試される。移動平均でゴールデンクロス完成直前であることと整合的である。

2.信用取引の貸借倍率は14.4。信用買いが積もっており、反落に注意。

<現時点総合判断>

ビッグイベントは、ほぼ消化済み。間もなく迎える反落時と、トライアングル完成後の上放れ・下放れに投資チャンスありと見る。

 

 サンゲツ(8130)

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<経営&決算:論点と現時点結論>

1.2014/11/7に、ROE重視経営推進に関する発表があった。次の手段により今後3~5年かけ、ROEを8~10%まで引き上げるという内容である。

 ①資本コスト以上のROE実現のため、今後3~5年間で自己資本を100~200億円圧縮し、資本効率を高める。

 ②今後3年間、純利益以上の配当実施と合わせ、機動的に自社株買いを行い、株主還元を増強する。

2.当社のROEは現在4.6%で、決して高水準とは言えない。従って、ROEを高める経営は正しい方向であるが、反面、成長戦略が示されていない。ROE重視経営は、成長戦略とセットで初めて有効になる。「ROE経営」の推進は下手をすると、「ROE=純利益÷自己資本」の算出式を前提とした「分母圧縮経営」に陥る危険性もある。

3.当社は過去5年間、配当性向70%以上を実現している。成長戦略の観点からお金の有効活用を考えた場合、お金に余裕があるならば今回は新規投資やM&A(企業買収)に回した方が、結果的には企業価値を高めることになったかもしれない。

4.アマダでも述べたが、株主還元の増強は短期的には株価上昇要因であるが、その後は逆に株価上昇の制約要因となる。

<長期分析:論点と現時点結論>

 1.長期株価は、①のラインを意識している。現在は長期レジスタンスラインを突破した段階。

 2.現在のレジスタンスラインは②、サポートラインは③。両ラインの間で、トライアングル形成の可能性が高まっている。この場合、トライアングル完成時点で大きな長期トレンドの転換点を迎えるであろう。

3.出来高が急増し始めている。これから本番を迎える若い相場と見る。

<短期分析:論点と現時点結論>

1.短期のレジスタンスラインは①。一瞬、大きなギャップを形成しこのラインを突破した。ランナウエイ・ギャップというよりは、今後このギャップを埋めに来るコモン・ギャップの可能性が高いように見える。

2.但し、埋めに来たとしても、サポートラインである②か③で下落は止まるであろう。

3.信用取引の貸借倍率は2.5。信用買いがやや積もっており、需給面からは上昇余地に限界が認められる。

<現時点総合判断>

1.当社の場合、ROE重視経営と大規模な株主還元方針の組み合わせバランスがあまり良いとは言えない。資本政策に対する評価の変化が、やがて訪れるであろう。

2.これから本番を迎える若い相場と見る。今後、長期波乱含みの展開が予想される。当面、トライアングル形成に向けた上昇トレンドと、トライアングル完成後の上放れ・下放れに投資チャンスありと見る。さらに、資本政策に対する評価の変化がやがて訪れ、下落に転じる時点でも投資チャンスありと見る。

<シグマからのおしらせ>

本ブログでは以下の連載が順次、交互並行でスタートしています。今後ともご期待ください。

(1)エベレストに賭け、相場に生きた男 中島寛の物語(全20回)
(2)金融マーケット今昔物語(全20回)
(3)ディーラーたちの栄光と挫折(全20回)
(4)年金引き潮時代の資金運用初級講座(全20回)
(5)数字に強い投資家を目指す初級講座(全20回)
(6)ブーメラン投資初級講座(全20回)
(7)ブーメラン投資中・上級講座(全20回)
(8)イベントドリブン投資初級講座:いまでしょ、この銘柄!(全20回)
(9)IPO・新興市場銘柄投資初級講座(全20回)
(10)FX投資初級講座(全20回)
(11)数式を使わない! オプション投資初級講座(全20回)
(12)シグマ個人投資家スクール分校開業・経営講座(全20回)

 <執筆者紹介>

清水 正俊 http://www.sigmabase.co.jp/index/lecturer.html

シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長

シグマインベストメントスクール(SIS)学長兼シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長 

 1947年生まれ。日比谷高校、一橋大学卒。日本長期信用銀行入行。1982年外国為替カスタマーチーフディーラー、1984年ドル円スポットチーフディーラー。1988年デリバティブチーフディーラー。同行によるグリニッジキャピタルマーケッツ社(米国コネティカット州)買収・業務拡大に従事。1990年同行退職。シグマベイスキャピタル株式会社設立、シグマインベストメントスクールを開校し現在に至る。ブーメラン投資戦法考案者。

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