「ブーメラン投資戦法」で、究極のペアトレード

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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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田渕直也のトレーディング・テキストブック(11)

 

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第11回 勝率と損益の大きさの関係

 

トレード戦略の有効性を考えるときには、短期的なトレードと長期的なトレードを区別して考える必要があります。理屈の上では、前回少し触れたように相場にはフラクタル性という性質があって、短期的なトレードと長期的なトレードに本質的な差はありません。ただし、一般には、短期的なトレードは狙う値幅が小さめで、(投入する資金量に対して)保有するポジション量は大きくなります。

 

これに対して長期的なトレードでは、短期的な値動きによる損失に耐えられるようにポジションの保有量は小さめで、逆に狙う値動きは大きくなります。ここではまず、短期的なトレードについて考えてみましょう。長期的なトレードというのは一種独特のトレード手法なので、短期的なトレードは通常のトレードと言い換えてもいいかもしれません。

 

適度な値幅で動く普通の相場環境では相場抑制的なフィードバックが比較的強めに表れますので、短期的な通常のトレードでは、コントラリアン的手法が一般的には勝率が高くなる可能性が高いと思われます。しかし、このコーナーの初めに指摘したとおり、肝心なのは勝率ではなく、得失点差です。

 

コントラリアン的手法によって、上がったら売る、下がったら買う、という戦略をとっていると、あるとき上下いずれかにかかわらずレンジを突き抜ける大きなトレンドが出現したときに、大きな損失を被ることになります。一般に、勝率の高い戦略は、勝ち幅が小さく、負けるときには大きな損失を被るという傾向があります。

 

コントラリアンについても同様のことが言えます。コントラリアンが有効でないということではありません。コントラリアンは負けるときには大きな損失を出しやすいという特性を理解して、損失のコントロール(ロス・コントロール)をきっちり行うことが大切だということです。そういう特性を理解しないと、コントラリアンで勝率がいいので、調子に乗ってどんどん大胆にポジションをとるようになり、いつか取り返しのつかない巨大な損失を被ってしまうという事態が起きかねません。それこそ、トレードにおいては避けなければいけないことなのです。

 

これに対して、トレンドフォロワーは、通常の相場環境では必ずしも勝率が高くはありません。もみあい相場なら、上がったところで買って、その後揺り戻しが起きて損切りを迫られるということを繰り返す可能性があります。ただし、その一方で、トレンドの読みが当たった時は、大きな利益が期待できます。

 

一般に、巨大な利益を得ることができる戦略は、勝率が低めになる傾向があります。とくにトレンドは、ときに正規分布の範疇を超えて、予想を上回る大きなものとなることがあります。トレンドフォロワー戦略でそうした大きなトレンドに当たれば、非常に大きな利益を得ることができるでしょう。もっとも、そうした大当たりがすぐに現れるとは限らないので、少々負けが続いても持ちこたえられるようなロス・コントロールがやはり必要です。また、トレンドフォロワーでは、予想が当たれば大きいのですが、予想とは逆のトレンドが発生して大きな損失が発生する危険性も考慮する必要があります。

 


このあたりで、第二の教訓をまとめておきましょう。

 

Lesson2


・相場にはトレンドを抑制するフィードバック作用がある。これを捉えようとするコントラリアン(逆張り)は、勝率が高い戦略であるが大きな損失を出しやすいという面もある。


・相場にはときにトレンドを増幅するフィードバックが強く働くことがある。これを捉えようとするトレンドフォロワー(順張り)は、大きな利益を得ることができる戦略だが、必ずしも勝率は高くない

 

 

 (つづく)

 

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