リターンの稼ぎ方(3)!! 第1原則 ~ブーメラン投資必勝法(18)~
時間との戦いに勝つには、大変な努力が必要
前回の図をベースに話を進めます。まず次の図を見てください。
1年間運用して20%のリターンを確保したとします(A点)。その後、儲けられなければ自動的にB点に下がります。A点のリターンを維持したければ①の努力が要求され、もしそれがうまくいけばC点に到達します。
C点に到達したとしても、相場動向や運用の巧拙でマイナスを出すと次の年は、F点どころかD点までリターンは下がってしまうでしょう。D点から当初の水準であるG点に戻すためには①より大きな②の努力が要求されます。
投資という活動は、常に逆風に向かって歩いていくようなものです。リターンを維持していくのでさえ大変です。ましてや、時間とともにリターンを引き上げていくには大変な努力(出来れば幸運も)が必要とされます。
リターンを稼ぐ基本の第一は、高シャープレシオのペアを選ぶこと
ペアトレードでリターンを稼ぐ基本は、高シャープレシオのペアを選ぶことです。シャープレシオは収益性を示す指標だからです。
では、シャープレシオの数値がどの程度のペアを選べば良いのでしょうか。次の図は2013/10/7現在のデータを基礎に作成したものです。
Zスコアの絶対値が2以上の32ペアについて、個々のペアのボラティリティ(リスク)と期待リターンが交差した点を32個全部使ったシャープレシオの分布図になっています。約1000ペアの中から、ブーメラン投資戦法の基準で厳選した32ペアです。 なお、横軸はボラティリティ、縦軸は期待リターンです。
赤の直線上にあるペアのシャープレシオは2.0です。
また、緑の直線上にあるペアのシャープレシオは3.0です。
32ペアのシャープレシオ分布図
(期待リターン)
(ボラティリティ)
ほとんどのペアのシャープレシオが2.0から3.0の間(赤の直線と緑の直線に挟まれた領域)に集中していることがわかります。高いほど収益性が大きいペアと考えられます。但し、リスクをどの程度許容するかは、投資家により、また状況によりますから「リスク許容度の範囲内で」という条件付きです。上の図を見ると、ボラティリティが2から4程度のペアを作成したいと思っても、シャープレシオが3.0近辺のペアは見当たりません。そのようなペアが出現するまで何日か待つのも一法です。
このことから、リターン稼ぎの第1原則が得られます。
第1原則:リスク許容度の範囲内で、極力シャープレシオが高いペアを選ぶ。
(了)