有望ペアの発掘法その１ ブーメラン投資必勝法（７）

有望ペアの選定手法（その１）

 ではこれから「攻撃」の第一弾である、有望ペアの探し方・作るタイミングについて説明して行きましょう。そのためにはまず、Zスコアと呼ばれるものを理解する必要があります。

Zスコアを知ろう

ブーメラン投資戦法では各種の指標を使って、いろいろなペアの健康診断をします。各種指標の中でも、重要性が高いのがZスコアと呼ばれる指標です。Zスコアは統計学の専門用語で、試験の成績がどのように分布しているかを示す富士山型の図で、裾野の広がり具合を示す数字を使って計算されます。

ブーメラン投資ではZスコアは、本日の株価が移動平均からどの程度離れているかを示す指標として利用されす。

Zスコアと移動平均との乖離（中央の横線、Zスコア＝０）

この数字が２あるいはマイナス２の場合、「本日の株価は100営業日中、5回しかあえないほど移動平均から上または下に離れた状態になっている」と読みます。わかり易く換算して、「１年（260営業日）に13回くらいの稀な相場」と理解しておくと良いでしよう。

ちなみにこの数字が３あるいはマイナス３の場合、「本日の株価は1,000営業日中、3回しかありえないほど移動平均から上または下に離れた状態になっている」と読みます。わかり易く換算して、「1年に1回くらいの稀な相場」と理解しておくと良いでしょう。

 トレードでは、Zスコアについてのイメージだけ、すなわちZスコアが１より２、2より３の方が滅多に無いほどより乖離していること、そしてZスコア＝０は株価が丁度移動平均にあることを理解できていれば充分です。

「そんなに平均から遠く離れた状態が長く続くはずはなく、そのうちブーメランが発生し移動平均に戻ってくるだろう（ブーメラン特性）」と期待して行うのがブーメラン投資です。特に日経２２５銘柄を中心とした大型株には,このような特性が認められるのは確かです。

しかし、半分冗談ですがハレー彗星のように７６年後に地球付近にブーメランしてきてもトレードとしては無意味でしょう。更に、何が起こっても不思議ではない相場の世界のことですから、果たして本当にブーメランが起こるのだろうかという不安も残ります。

ブーメランが起こらなかった場合も含めて、この特性をうまく利用しようとするのがブーメラン投資戦法です。

Zスコアのチャート

専用チャートのうち、下記「チャート３」はZスコアの推移を示します。本ブログの「実況放送」中で利食いに成功したデンソー・アイシン精機ペアのZスコアを見てみましょう。８月６日に作り、８月16日に利食いし、9.4%のリターンを挙げたペアです。

青色（系列１）がZスコアの推移です。画面中央から右が半年です。赤丸の点でZスコアが過去半年間のLowであるマイナス3.2を示していました。「めったにありえないほど」デンソーがアイシン精機に対して弱くなっていたことを意味していた訳です。

さて、この時、デンソーとアイシン精機の株価はどうなっていたでしょうか。その上でZスコアの活用法を説明しましょう。

デンソー・アイシン精機のZスコア（デンソーが主体） 

今回の最後に、これからのテーマのいくつかを述べておきましょう。

＊Zスコアの補助として使ういくつかの指標と意味。

＊利食いのテクニック。

＊指標の問題点と対処法。

＊いくらあれば、ブーメラン投資を始められるか。

＊東京電力やオリンパスは、ブーメラン投資銘柄になるか。

＊最近実施された電通や大和ハウス公募増資のブーメラン投資への影響は。

＊逆日歩のブーメラン投資への影響は。

＊一流と言われるプロトレーダー達の実力を見てみよう。

＊あなたは、プロトレーダーとして通用するか。

＊あなたは、脱サラしてデイトレーダーとして生計を立てていかれるか。

＊ブーメラン投資は、一流プロトレーダーに勝てる可能性がある。

などなど、本当に知りたいことがらを盛り沢山に用意しています。

今後をお楽しみに。

（つづく）