ブーメラン投資戦法の必勝法（５） 成功するトレーダーとは

成功するトレーダーとは

成功するトレーダーとは、どのような能力を持った人なのでしょうか。ダイヤモンド職人に例えてみましょう。

ダイヤモンドになりうるペアは、その原石と言えるでしょう。将来ダイヤモンドとして輝く潜在力は秘めていますが、今はただの石です。成功するトレーダーは無数の石の中から、この原石を見つけ出せなければなりません。

次に、原石を磨く能力が要求されるでしょう。ダイヤモンドの価値は、研磨の巧拙で決まると言われています。この研磨の能力に相当するのが、トレードで言えば利食い、損切りの巧拙です。トレードの成否のほとんどは、この巧拙で決まると言っても過言ではありません。特に、損切りの巧拙が重要です。たった１回の損切りの失敗が、それまでコツコツ磨いてきたダイヤモンドを、一瞬のうちに台無しにしてしまうこともよくあるからです。私（学長）が、努力の大半を損切りとの戦い、損切ルールの改良に費やしているのもこのためです。

この点に関し、皆さんが「まさか」と思うような例を一つ、最近のバックテスティング（もし過去に取引していたとすると、のシミュレーション）結果からお示ししましょう。

２０１３年１月に「西日本旅客鉄道（JR西日本）買い・東海旅客鉄道（JR東海）売り」のペアを作り、平均回帰するのを待ちながら半年間経過した場合、リターンはどうなったでしょうか。

常識的には両銘柄は大体同じように動くので、リスクは小さいと思えるでしょう。ところが正解は、マイナス８５％のリターンです。この数字には、信用取引のいわゆるレバレッジ（額面以上に取引可能）の効果も反映していますが、びっくりする数字でしょう。投資元本１００万円が１５万円になってしまったはずです。

上記は例外的な話かというと、「そんなことはあり得ない」と思うようなペアにも同じようなことが、結構起こっているのです。この事実は、比較的低リスクのはずのペアトレードでさえこのようなことが起きているのですから、、投資というものは怖いものだということを教えてくれています。思い込みほど怖いものはありません。

（つづく）