年金引き潮時代の資金運用初級講座(第3回/全20回) ~シグマ個人投資家スクール(SIIS)~
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投資におけるリスクとリターンの関係に関して、下図のようなグラフがよく使われる。リスクは横軸で、右に行くほど大きく、左に行くほど小さいと読む。投資リターンは縦軸で、上に行くほど大きく、下に行くほど小さくマイナスリターンになることもあると読む。黒丸の場所が「定期預金への投資」が占める点である。定期預金は1000万円までは保証され、金利も確定しているのでリスク(横軸)はゼロである。一方、金利は非常に低いので、リターン(縦軸)はゼロより少し上に位置する。このようにすると、定期預金は「低リスク・低リターン運用」の典型であることがよく理解できるであろう。同じように考えて、例えば「この債券投資はこの点」、「この銘柄の株式投資はこの点」と言う具合にグラフ上にその投資のリスクとリターンの関係を示す点を描いて見ることが、投資を考えるということである。囲碁をやる人は、碁盤に様々な投資商品に対応する石を置いて眺め、比較するとイメージが掴み易くなろう。
グラフ上には、
ローリスク・ローリターンの領域
ミドルリスク・ミドルリターンの領域
ハイリスク・ハイリターンの領域
が示されている。このいずれの領域の投資を目指すべきかについての理論は無い。個々の投資家がどの領域の投資が「好き」かの問題であり、「投資家選好」と呼ばれる。言えることは、右上がり45度矢印線の上方の領域を目指すべきであるということである。リスクに比較し、期待リターンの方が大きいからである。そして、ハイリスク・ハイリターンを狙うのであれば、塗り潰されている赤丸部分に位置する投資手段(投資の内容)が最適である。理由は、リスクの大きさがミドルリスク程度だからである。これを満たす投資とは具体的にどのような内容なのか、これを探すのが「投資の知恵」である。なお蛇足であるが、ハイリスク・ハイリターン投資をして大きく儲けたからと言って、その投資が「ローリスクであった」と考えるのは間違いである。たまたま大きく儲かったのであって、一歩間違えば大きな損失を招いた可能性もあったからである。ハイリスク投資には、常にその背後に危険が牙をむいていることを忘れてはならない。
つづく
<シグマからのおしらせ>
本ブログでは以下の連載が順次、交互並行でスタートしています。今後ともご期待ください。
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(5)数字に強い投資家を目指す初級講座(全20回)
(6)ブーメラン投資初級講座(全20回)
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(8)イベントドリブン投資初級講座:いまでしょ、この銘柄!(全20回)
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<執筆者紹介>
清水 正俊 http://www.sigmabase.co.jp/index/lecturer.html
シグマベイスキャピタル株式会社(SBCC)代表取締役社長
シグマインベストメントスクール(SIS)学長兼シグマ個人投資家スクール(SIIS)学長
金融理論専門の教育研修・コンサルティング・出版のシグマベイスキャピタル株式会社
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