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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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第30回 ロスカットの原則  ~田渕直也のトレーディング・テキストブック(30)~

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第30回 ロスカットの原則

 

ロスカットの水準は、杓子定規に決めることは出来ません。かといって、適当でいいわけでもありません。基本的な考え方としては、チャートを見て、このポイントを下回ったら(ショートの場合は上回ったら)自分の想定が崩れるという水準にロスカットの水準を設定するということになります。その場合に大切なのが、レバレッジの大きさと、トレードのタイムスパンです。
まず、レバレッジを大きくしている場合には、相場が逆に行ってしまった時のダメージが大きくなるので、短期のチャートを参考にしてかなり厳格なレベルにロスカットを設定する必要があります。ロスカットに何回か引っかかっても再挑戦が可能な状態を維持することがロスカットの基本原則です。もし、そのように設定したロスカットが厳格すぎてとても収益を上げられないというのなら、それはレバレッジをかけすぎている証です。
逆に、ロスカットの幅を大きくとって中長期的なトレンドを追いたいという場合は、レバレッジを落としてリスクを小さめに運用することが必要になります。ロスカットを緩くするとロスカットに引っかかってしまった時の損失が大きくなるので、何回も再挑戦する状態を維持するためにはポジションを小さくするしかないのです。
ロスカットは、基本的にトレンドを読み違えた時に最悪の結果を回避するための安全弁です。ですから、最初に設定したロスカットに引っかかりさえしなければポジションを持ち続けていいというわけではありません。自分のイメージしていた相場の展開になっていないのだとしたら、あらかじめ設定した水準に達していなくても、ポジションは切るべきだと思います。このあたりはかなり感覚的なものですが、ここで重要になるのがトレードのタイムスパンです。
たとえば、相場が勢いよく上がりはじめていて、1~2日の内に上放れするに違いないと思ってロングポジションをとったのなら、その想定するタイムスパンが過ぎて何も起こらない場合はポジションを切るべきだということです。(もし実際の相場が想定通りか、想定以上の動きをしているのなら、当初のタイムスパンが経過してもあわてて利食う必要はありません。これは、トレンドがときに人の想像を超えるものになるからでしたね。)
タイムスパンが重要なのは、トレードの目的が変質する事態を防ぐためです。前にも述べましたが、人はポジションを実際に持つと、いろいろなことを都合よく解釈し始め、様々な言い訳をこしらえるようになります。ポジションを持っていない時には物事を客観的・合理的に見つめられるのに、ポジションを持つと簡略化された思考法、つまりヒューリスティックスに頼るようになります。それは、トレードのパフォーマンスにとっては悪い方向に働きます。それを防ぐために、トレードにはどのくらいのタイムスパンで収益化するのかということを予め明確にしておくことが必要なのです。
ちなみに、人は過去の自分がどのように物事を感じていたかを正確には再現できないといわれています。当初は、テクニカルな要因から「まあ、外れてもいいからごく短期のスパンで上昇に賭けてみよう」と考えてポジションをとっても、うまくいかなくなると「いやいや、ファンダメンタルズからいけば長期的には相場は上がるはずだから、もう少し我慢しよう」などと考えがちなのです。このとき、ポジションをとった時の自分の気持ちを思い出そうとしても、それは不可能です。
こうした事態を防ぐには、ポジションをとるときに思い描く相場のイメージや想定するタイムスパンをメモに残しておくというのも有効な手立てだと思います。そして、そのメモに照らして現実の相場が想定通りでないとしたら、少し損を出しておいて、あらためて次の機会に賭ければいいのです。勝率へのこだわりを捨てることによって、こうした柔軟な姿勢を維持することが可能になるというわけです。

 

 

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