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真のトレンドは必ず行き過ぎる  ~田渕直也のトレーディング・テキストブック(26)~

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第26回 真のトレンドは必ず行き過ぎる 

 

なんども繰り返していますが、ランダムな動きは予測ができません。たまたま当てることは出来ても、それはたまたまであって、期待リターンはあくまでもゼロ(マイナス取引コスト)です。そして、市場の動きは、かなりの部分、少なくとも人がそう感じる以上には、ランダムな動きで形成されています。しかし前回、そうしたランダムな動きの中から、ランダムではないトレンドが生まれうることを示しました。ランダムな事象の中に勝手に法則を見つけ出してしまう人間の心理的錯視が現実の相場に影響を与えることによって、ランダムではないトレンドが生み出されていくのです。このランダムではないトレンドこそ、単なる博打ではない、投資の収益源となります。


最初は錯視や思い込みによるストーリーに過ぎなかったものが、次第に多くの人に納得されるようになることで、この真のトレンドは生まれていきます。それでは、どんなストーリーが大勢の人に受け入れられやすいかというと、ずばりシンプルで、因果関係が明確で、わかりやすいストーリーです。多くの実証研究で、ファンドマネージャーやアナリストの予測がほとんどあてにはならないことが示されています。彼らはみな高給取りで、豊富な知識と高度な技能を持ち、最新の情報にも精通しているはずです。この「専門家のパラドックス」ともいうべき現象の説明として、市場は基本的にランダムなので専門家でも予測は出来ないというのがランダムウォーカー派の解釈です。私も基本的にはこの見解に賛成ですが、もう一つ、専門家の予測は様々な要因を織り込んだ複雑なものになりがちで、それは決して真のトレンドを生み出すストーリーにはなりづらいという要因もあるのではないかと思います。真のトレンドを作り出すのは。人の心理に強く働き掛ける、もっと単純で力強いストーリーなのです。


人は、いったんあるストーリーに納得し、自分の中で特定のイメージが形成されてしまうと、そうしたストーリーに反する材料を無視し、それに沿う材料を過大評価します。特定の印象に引きずられて、関係のないことまでその印象に基づく評価をしてしまうというハロー効果が働くわけです。その結果、人の予測は直線的なものになりがちです。ある企業が成長軌道にのったと判断すると、それ以外の要素には目が向かなくなって、リスクも無視され、一直線の相場上昇がイメージされます。説得力あるストーリーはこうしたハロー効果や直線的予測に支えられて、実際に相場を押し上げていきます。そして、トレンドが明確になればなるほど、そのトレンドを支えるストーリーへの賛同者が増え、それがトレンドをさらに強いものにしていきます。これは、バンドワゴン(勝ち馬)効果といわれるものですね。こうして形成される真のトレンドは、歯止めとなる要因が内生的には存在しません。価格上昇が更なる価格上昇を誘う要因となるからです。したがって真のトレンドは、何か外生的な要因(金融引き締めとか、××ショックとか)が働かない限り、行き過ぎてしまう運命を負っています。そして行き過ぎた相場は必ずどこかで反転します。トレンドの反転についてはここでは詳しく触れませんが、それまでの順回転が逆回りし始め、多くの場合、パニック的な売りを招きよせます。金融史で繰り返されてきた相場の行き過ぎとその反転は、人間心理から必然的に生み出されるものであったのです。

 

(つづく)

 

 

 

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