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(注)「ブーメラン投資戦法」とは、シグマインベストメントスクール学長の考案による、ペアトレード手法の名称です。 

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「自分だけは違う」は違う? 田渕直也のトレーディング・テキストブック(22)

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第22回 「自分だけは違う」は違う?


新年あけましておめでとうございます。昨年末は再び株高、円安のトレンドとなりましたが、うまく波に乗ることは出来ましたでしょうか。今年もまた、「長期的に勝つ」トレードのためには何が必要かを考えていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。


さて、ここまででトレードというものの厄介な性質が少しずつ明らかになってきたと思います。
・ 市場はランダムな動きに大きく左右されるので、完全な予測は困難。(なのに予想を当てることに必死になってしまう。)
・ 市場は(投資家は)、短期的な要因に惑わされ、長期的には合理的になれない。
・ トレンドが生まれると、買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶ展開となって予想を超える大きな動きになる。しかし、投資家は大きなトレンドを捉えることが苦手。
・ バブルの崩壊時には市場はパニックに陥って相場は急落する。しかし、投資家は損切りが苦手なので少しずつ積み上げた利益を一気に吹き飛ばしてしまう。

 

なんだか「トレードは難しい」とばかり言っているような気もしますが、本当に言いたいことは「勘に頼って、自分の感覚や感情のままにトレードするだけでは長期的に成功しない。長期的に成功するには己を律するためのディシプリン(規律)が必要である」ということです。


また、市場が完全にランダムであればトレードの期待収益は常にゼロ(つまり、勝つか負けるかは運次第)ですが、現実の市場に見られる市場の非合理性は、それこそがトレード収益を生み出す源となります。ただ、市場の非合理性は、自分も含めた人間心理の非合理性を映したものにすぎませんから、人間心理を知り、己を律することができなければそれを利益に変えることは出来ません。市場の歪みを利用して利益を上げるというのは、言うのは簡単ですが、実際に行うのはとても困難なのです。なぜならば我々自身が歪みの原因だからです。


ここで最も厄介となるのが、市場(他人)は非合理かもしれないけど、自分だけは違うという気持ちです。これ自体が人間心理につきものの現象で、誰でもそう感じるのですが、この「自分だけは違う」という感覚を乗り越えなければ、他人の非合理性を機会として捉えることは出来ません。だから、厄介だ、困難だ、という話を繰り返しているというわけです。この流れがしばらくは続きますので、もう少しご辛抱ください。


さて、この「自分だけは違う」という感覚は、ある意味で正しい感覚です。あなたは(わたしも)何が合理的で、何が合理的でないか、あるいはどこで何をすればよいか、といったことを理解する理性を十分に持っているからです。ところが、バブルの中で、あるいはパニックの中で、この理性は簡単に失われてしまいます。とくにポジションを持っているときに、そうでない時と同じ冷静さを保つことはとても困難です。しかも、そのことに人はなかなか気が付くことができません。


次回以降で、このような人間の心理構造をもう少し詳しく見ていきたいと思います。行動ファイナンスの話が中心となりますが、トレードの成功にとって行動ファイナンスは経済学や金融理論よりもおそらく重要だと思いますので、ぜひお付き合いください。


 

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