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バブル崩壊を予測する 田渕直也のトレーディング・テキストブック(15)

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第15回 バブルの崩壊を予測する

 

バブルもまた、市場の長期的な非合理性の顕著な例です。1980年代末の日本株バブルでは、PERが60倍程度まで買われました。PERは、先進国ではおおむね10~20倍程度が適正と考えられますので、PER60倍というのは、日本経済が超高度成長を半永久的に続けるくらいの仮定を置かなければとても説明できません。しかし当時は、名だたるアナリストたちが更なる株価上昇を予測していたのです。

 

そんな中で、バブルの崩壊を見事に予言した人たちがいます。古くは、1929年のウォール街大暴落でのジョセフ・ケネディ(ケネディ大統領の父)の有名なエピソードがあります。そのエピソードの中で彼は、靴磨きの少年が「○○株は買いだ」というような話を熱心にしてくるようになったので、バブルの崩壊が近いと感じて持ち株を売りに出し、損害を免れます。(この話は作り話という説がありますが・・)

 

新しくは、サブプライムローンによる住宅バブルの崩壊に賭けて「史上最大のボロ儲け」といわれるくらいに稼いだジョン・ポールソンがいます。バブルの崩壊に賭けて大損を回避したり、大儲けするというのは、多くの投資家にとってあこがれの手法です。しかし実際には、バブルの崩壊を予測できる人はほとんどいません。ジョセフ・ケネディの逸話やポールソンの儲けっぷりが有名なのは、ほかの人がそのようには行動しなかったためでもあります。

 


1996年に、アラン・グリーンスパンFRB議長が株式市場の「根拠なき熱狂」を指摘しました。グリーンスパンは警鐘を鳴らしただけで、バブルの崩壊を予言したわけではありませんが、結局、米国の株価はその後4年ほどで2倍以上にまで跳ね上がりました。1989年5月、日銀はバブル潰しのために利上げに踏み切ります。しかし、株価はその後半年以上にわたり上昇し続けました。2007年の8月には、「パリバ・ショック」といわれる出来事が起き、サブプライムローン問題が表面化します。しかし、米欧当局の利下げをはやして、株価はその後、新高値を付けに行きます。バブルはいつかは必ず崩壊するのですが、バブルそのものが非合理的な相場変動なので、その非合理的な動きがいつ終息するのかについても、合理的に予測することはとても難しいのです。

 

実際には、バブルの崩壊を予言する人たちが他にいなかったわけではありません。彼らのほとんどは、バブルの熱狂に飲み込まれ、株式市場の高騰についてこられなかった悲観論者として切り捨てられ、忘れられていったのです。市場の裏をかくというのは、そうした危険を伴うものです。それでは、バブルに合わせて踊ればよいのでしょうか。これはしばしば「音楽が鳴っている間は踊り続けなければならない」という言葉で表される考え方です。実際には、この行動パターンも非常に大きなリスクを伴うのですが、結論を導く前に、バブルがなぜ発生し、なぜ崩壊するのかというメカニズムを探っていくことにしましょう。

 


(つづく)

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