ペア作成の原理と信用取引の効用~ブーメラン投資のやさしい投資理論(2)~
ペア作成の原理を理解しましょう。
1.誰かから100万円相当のB株券を借りる。貸株・借株取引と呼ばれ、市場が存在します。投資家は借り株料を払います。(①の取引)
2.借りたB株を売り、100万円が入金されます。これでB株の空売りが完成です。将来、B株を市場から買って、貸してくれた人に返す義務が発生します。(②の取引)
3.入金された100万円でA株を買います。これでA株買いが完成です。(③の取引)
4.以上でA株100万円買い・B株100万円売りのペア作成が完成しました。
5.100万円は、入金と出金で相殺しています。
信用取引でペアを作る意義
信用取引を使わなくても、上記の手順でペアを作成することは可能です。ただし、不便な点がいくつかあります。
1.あらかじめ、空売りする株券を貸株・借株市場から借りる取引が必要であること。
2.100万円は結果的には相殺しますが、現金化には時間がかかるので、一時的とは言え100万円の現金を用意する必要があること。
3.相場変動の中で、上記の取引を同時に行うのは不可能であること。
4.ペアを手仕舞いする時にも、今度は一連の反対取引をしなければならないこと。
信用取引は、証券会社が上記一連の取引を自動的に、かつ瞬時に行ってくれる取引で、大変便利なサービスと言えます。代わりに貸株・借株料とか、100万円にかかる金利とか、管理料といった諸経費が徴求されることになる訳です。
(つづく)