リターンの稼ぎ方(4)!!第2原則、第3原則!!~ブーメラン投資必勝法(19)~
リターン稼ぎの第2原則
ブーメラン投資戦法は、「ペア株価は平均から一時的に乖離しても、やがて平均に回帰してくる特性を持つ」と言う経験則を基礎にしています。この経験則は数学的にも、完全ではありませんが、ほぼ正しいと言える現象です。
ブーメラン投資は比較的大きなリターンを目指す手法です。例えば2013/10/9現在において、私(学長)が選んだ、優良39ペアの期待リターンの平均は16.0%です。
利食いの心理として、早めの利食いになってしまいがちです。ブーメランが発生し、順調に推移しているペアについては、平均回帰するまで極力我慢するのがリターンを稼ぐ秘訣です。もちろん待ちすぎて失敗のケースもあるので,試行錯誤しながら腕を上げる努力も必要となるでしょう。
ここからリターン稼ぎの第2原則が得られます。
第2原則:順調に推移しているペアの利食いは、平均回帰するまで極力我慢する。
リターン稼ぎの第3原則
次は、本ブログの「田渕直也のトレーディング・テキストブック(第11回)」からの一部引用です。
「 相場にはトレンドを抑制するフィードバック作用がある。これを捉えようとするコントラリアン(逆張り)は、勝率が高い戦略であるが、大きな損失を出しやすいという面もある。
一方、相場にはときにトレンドを増幅するフィードバックが強く働くことがある。これを捉えようとするトレンドフォロワー(順張り)は、大きな利益を得ることができる戦略だが、必ずしも勝率は高くない。」
コントラリアン(逆張り)であるブーメラン投資戦法では、損切りルールが絶対に必要です。
ブーメラン投資は普通の株式投資に比べると、リスクが3分の1程度の低リスク投資ですが、それでも時に大きなリスクが潜んでいます。その例を専用チャート上で見てみましょう。
(例1)
次は日揮・千代田化工建設ペアの1年間の専用チャートです。チャート3は、約半年前にZスコアが3に達していたことを示しています(赤の〇)。この時点で戦法に従い、日揮売り・千代田化工建設買いを作成しても理にかなったトレードと言えます(チャート2の緑の〇)。ところがその後「突き抜け」が起こり、大きな損失になったことが読み取れます。ある時点で損切りを断行しないと、大変なことになってしまった例です。
日揮(X)・千代田化工建設(Y)の専用チャート
(例2)
「ブーメラン投資必勝法(5)」でも言及したJR東海・JR西日本買いの例です。赤〇近辺のZスコアを見て、このペアを作っても(緑の〇)、理にかなったトレードです。ところが結果は(例1)と同様です。
JR東海(X)・JR西日本(Y)の専用チャート
これらの例は、ペアとしている銘柄同士に、「何か構造的な変化が起こった」ことを示唆しています。事後的にはその理由付けが出来るかも知れませんが、トレード時点の前後ではほとんど察知できないのが普通です。ある時点での自動的な損切りが重要な理由です。
ちなみに、ブーメラン投資では「合理的なの損切りルール」を作成することは理論的に不可能です。統計学が無力となった領域において法則を発見し、それをルール化しようとする論理矛盾の行為だからです。従って「損切りルール」というものは必然的に、理論的根拠が乏しいものにならざるを得ません。もし理論的根拠のある損切ルールを作ろうとすれば、別の観点から考える必要があります。
なお、損切りの本質は、損をすることではありません。損切りとは、眼には見えませんが、牙をむいて潜んでいる「はるかに大きな損失を未然に回避する」ための、前向きのオペレーションなのです。「損切り」という言い方が、「切って捨てる」を連想させ、失敗のイメージが定着してしまったのかもしれません。
このことから、リターン稼ぎの第3原則が得られます。
第3原則:損切ルールを作成・保有し、絶対に遵守する。
(最後に一言)
損切りルールは各人の責任において作成・遵守する以外ありません。「今日の注目ペア」会員向けメールサービスでは、参考までに「私(学長)自身の損切りルール」を示すことにしています。相場状況に応じ、時々改訂し、都度報告をしています。
(つづく)