株式市場と分析手法(2) ~図解!!投資研究~
今回は、「効率的市場」という考え方を、図解で理解しましょう
株価は、企業の将来の業績予想により影響を受けます。この予想は利用可能なさまざまな情報に基づいて形成されるので、株価は投資家により利用される情報で決定されることになります。予想形成において情報が有効に利用されることを効率性と言います。そして、情報の効率性が満たされている市場を「効率的市場」と言います。
情報が十分に浸透し利用され、その結果株価が合理的な価格で形成されている場合「市場は効率的である」とも言い、そうなっていない場合「市場は非効率である」とも言います。
シカゴ大学教授であるユージン・ファーマ(Fama)は1970年の論文で、効率性の概念をウイーク型、セミストロング型、ストロング型の次の3つのレベルに分類しました。
(レベル1)ウイーク型効率性
将来の株価は、新しく発生する情報によってのみ影響され、過去の株価の動きとはまったく無関係であると考える仮説です。
この仮説によれば、株価はランダムウオークであり、過去の株価分析に基づくテクニカル分析は無意味とされます。
(レベル2)セミストロング型効率性
株価は企業情報のうち公表された一般に利用可能な情報はすべて、しかも瞬時に織り込んで形成されると考える仮説です。
この仮説によれば、企業情報は即座に株価に反映しますから、公表された情報を分析しても平均以上の利益は挙げられないことになります。従って、いわゆるファンダメンタル分析は無意味とされます。情報提供機関や専門のアナリストが競争して情報収集や分析を行えば、瞬時にセミストロング状態なると考えられるからです。
(レベル3)ストロング型効率性
株価は公表されている情報のみならずインサイダー情報のような秘密にされている情報も含めて形成されていると考える仮説です。
現在では法に抵触する内容まで含みますから、ストロング状態の継続は困難と考えられます。
以上を図解すると以下のとおりです。
図解1.
図解2.
チンパンジーの方が、高給取りのアナリストより当たるという意見があるのは、AとEを比較するとあり得るのかなという気もします。
(つづく)