株式市場の本質と分析手法の関係◆株式市場と分析手法(1)
株式市場の本質と分析手法の関係
投資の世界では古来、様々な投資分析手法が百花繚乱の如く咲き乱れています。それぞれがそれなりの論理を持って主張されていると思います。代表的な投資分析手法を列挙してみましょう。これらはいわば大分類で、それぞれに更にたくさんの種類があります。
(1)ファンダメンタル分析
財務諸表などから企業の株価の割高・割安などの分析を行う手法です。次のような指標を使って分析が行われます。
PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
ROE(株主資本利益率)
配当利回り 等
「株価は企業価値を反映する」という市場哲学が根底に存在します。
(2)テクニカル分析
実際の企業価値という観点ではなく、株式市場という心理的側面や需給に基づいて分析を行う手法です。
過去の株価水準・株価変動の特徴、癖、パターンなどをつかみ、将来を予想する手法が主流です。
「歴史は繰り返す」という市場哲学が根底に存在します。
(3)クオンツ分析
数学的モデルを利用して、統計的・計量的に分析を行う手法です。1980年代、NASAのロケット工学専門家達が、量子力学などの手法を金融工学に取り入れたのが発端です。
コンピュータ能力の飛躍的向上と低廉化、取引コストの低廉化を背景に、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を融合させるなどしながら、まだ誰も知らない秘密の情報を得ようとする方向に向かっているようです。
本サイトは「ブーメラン投資戦法」という分析手法についてのものですが、これら多くの分析手法が果たして有効か否かは、対象とする株式市場の本質と深い関わりがあるはずです。
本シリーズでは、分析の対象である株式市場と、分析道具である各種分析手法との関係についていろいろ考えていこうと思います。理屈っぽい部分もあり、すぐに役立つ話ではありませんが、投資にj関する思考力養成にはなると思います。理論的な部分はなるべく図解で、スッキリ整理できるようチャレンジしていきます。
(つづく)