ブーメラン投資戦法とは(2) ~ どの2銘柄を選ぶか
ペアといっても、適当に2銘柄を組み合わせてはだめです。どの2銘柄を選ぶかで、ペアトレードの成否の半分は決まるといっても過言ではありません。
ペアトレードは2銘柄の株価変動の差(スプレッド)の拡大・縮小を前提に、タイミングよくスプレッドを取ろうとする(サヤ取りとも呼ばれています)投資手法です。どちらの銘柄を買いに、どちらの銘柄を売りにするかを間違えると、当然失敗に終わります。とりあえず正しいと判断された方向でスタートしたとしても、次の2つのリスクは残ります。
- 過去のように今後も、スプレッドの拡大・縮小が繰り返されるとは限らないリスク。
- 早まって作ってしまうリスク。戻ってくるとしても、時間がかかってしまいます。どんな投資でも、回収期間は短いほうが有利だからです。
このようにいろいろ考えて有望なペアトレードをスタートさせたとしても、利益が出る方向に行く場合と、損失が出る方向に行く場合があります。利益が出る方向に行ったとしてもどこで利食いをするか、損失が出る方向に行ったとしてもどこで損切りをするかが次の最大の問題です。この巧拙でだいたい勝敗が決まるのがペアトレードに限らず、すべての投資の共通点といってもよいでしょう。特にペアトレードの場合、スプレッドの拡大・縮小をうまく利用しようとするトレードですから、利食いの場合、待ちすぎるとチャンスを失うこともあります。
2銘柄の買いと売りを同時に行うペアトレードは、お互いがお互いのヘッジになっているという言う意味で、現物買いの投資に比べ比較的安全です。しかし、相場上昇時には売りが不利に働く可能性が高いので、現物買いに比べ低リターンになるのが一般的です。その分下落に強くなります。
(つづく)